2014年5月の記事です。
「こんばんは。
昼間は暑いくらいになってきましたが、朝晩はまだ少しひんやりしていますね。体調を崩されないようお気をつけ下さい。
当院は胃カメラを行う際、まずピロリ菌がいそうか、いなさそうかをチェックいたします。
ピロリ菌がいる、いないで、かかりやすい病気が変わってくるからです。
ピロリ菌がいると、萎縮性胃炎を起こしますが、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、胃ポリープ(過形成性ポリープ)などの病気が起こりやすくなります。特に胃がんが問題となります。
ピロリ菌がいない場合は、逆流性食道炎、バレット食道といった病気が起こりやすくなります。
また、病気とは言えませんが、胃底腺ポリープというポリープができる場合があります。
ピロリ菌がいない、正常に近い状態であれば、胃の中で毛細血管がきれいに並んだ毛穴のようにはっきりと見えます。
これはRAC(regular arrangement of collecting venules)といい、ピロリ菌がいない指標として知られており、当院でもまず毛細血管がきれいに見えるかどうかをチェックいたします。
ピロリ菌が胃の中に長年住んでいて、慢性胃炎もしくは萎縮性胃炎を起こしている場合は毛細血管が壊されてはっきりと見えなくなっています。
こうやってピロリ菌がいそうかどうかを判定しています。ただし、除菌をした場合やいつのまにか除菌されてしまった場合(かぜ等で抗生物質を服用した場合など)は判定が困難なことがあります。」